支部長あいさつ

東北支部長
安 孫 子 健 一

 明けましておめでとうございます。
 東北支部会員の皆様におかれましては、新たなる気持ちで新元号「令和」での初めての新年をお迎えになられたことと、お慶び申し上げます。また、昨年も補償コンサルタント業務を通して、震災からの復興を始め東北地方の安心・安全のためのインフラ整備にご尽力いただきましたこと、そして東北支部活動に多大なるご協力を賜りましたことに対しましても、心より御礼申し上げます。
 東日本大震災の発生から丸9年を迎えようとしています。令和2年度は「復興・創生」期間の最後の年度となります。ハード面に於ける復旧・復興は目に見えて進んで来ましたが、残念ながら未だ道半ばの感があります。国は昨年末、新たな「復興の基本方針」を策定し、復興庁の設置期限を2031年まで10年間延長することとしました。予算措置を含め被災地支援は続きますが、震災復興事業以外でも私たち補償コンサルタントが必要とされる場面は増えて来ているように思います。
 震災後も全国各地で大災害が頻発しています。昨年は、9月9日に台風15号が千葉県に上陸。これまで経験したことの無い暴風が吹き荒れ、送電線や電柱の倒壊のため同県を中心に最大93万戸が長期停電となり、市民生活に大きな影響を与えました。さらに、10月12日に伊豆半島に上陸した台風19号は、関東から東北地方を縦断し東日本各地に大雨を降らせたため、長野県の千曲川など各地で河川が氾濫し、死者90人を超える甚大な被害をもたらしました。東北地方に於いても、震災被害の大きかった3県(岩手・宮城・福島)で、阿武隈川や吉田川等の氾濫により大規模な浸水被害が発生しました。現在も多くの方が、仮設住宅や避難所での生活を余儀なくされています。一刻も早い復旧・再建を願っています。
 東北支部は、平成17年3月に東北地方整備局と「災害時における東北地方整備局所管施設の災害応急対策業務に関する協定」を締結しています。今回の災害に於いても同協定に基づく出動要請があり、当支部宮城県部会会員が対応しています。しかし、自治体との間では、いくつかの例を除いて災害協定の検討は進んでいません。災害の増加が予測される中で、用地補償の専門家集団として迅速に対応し貢献できるよう、今年も各自治体との災害協定締結に取り組んで参ります。各県部会の皆様のご協力を宜しくお願いいたします。
 また、一昨年6月「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法」が公布され、その後「所有者不明土地等対策の推進に関する基本方針」に基づき昨年1月30日に設立された「東北地区所有者不明土地連携協議会」に、東北支部も構成員として参画させていただきました。昨年は東北各県で自治体職員の方を対象にした講習会が開催される中、秋田・岩手・福島3県の会場に講師を派遣いたしました。今後の活動にも積極的に参加させていただき、補償コンサルタントの責務を果たして参りたいと思います。そのためにも組織の強化と、更なる研鑽を積めるよう研修・講習会の一層の充実を図って参ります。本年も会員の皆様のご支援をお願いいたします。
 最後になりましたが、会員企業と社員の皆様のご健康とご多幸をお祈りし、新年のご挨拶といたします。